【連載第2回】受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜
「受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜」と題して、全7回のコラムと受験必勝フードのレシピをご紹介していただきます。
今回は第2回目のコラムです!
② 脳に必要な栄養素とは?脳を作る栄養素を知って脳を快適運転に!
こんにちは。受験必勝フードサポーターの尾田衣子です。
前回は脳に必要な栄養素はずばり『糖質』というお話をさせていただきました。
糖質が脳のエネルギー源となるからです。
やはり何をするにもエネルギーは必要。ガソリンの無い車は走らないですもんね。
脳にエネルギーをしっかり蓄えて快適運転しましょう!
でも、糖だけを摂っていれば良い訳ではありません。
今回は脳を作っている栄養素についてお話をしていきたいと思います。
では、脳はどのような栄養素で作られているのでしょうか。
まず1つ目の栄養素は【脂質】です。
脳の約50%はなんと脂質で出来ているのです!
脂質の役割としてはまず、神経細胞の構成成分であること。
脳の神経細胞は、脂質でできた膜で覆われているのです。
神経細胞間の情報伝達を円滑にする上で重要な役割を果たしていると言えますね。
また、脂質はエネルギー源としても使われているんです。
糖質が主なエネルギー源とお話ししていますが、脂質も重要なエネルギー源の一つです。
体の中で糖質が不足した際に大活躍!脳のエネルギー源として脂質が利用されていくのです。
さらに、脳は、脂質によって保護されています。
脳を衝撃から守り、脳内の水分バランスを保つ役割も担っていますので脂質は本当に脳にとって重要なんですよ。
では、どんな脂質を摂取するのが良いでしょうか。
その答えは”良質な脂質”です。
良質な脂質の代表はオメガ-3脂肪酸。
DHAやEPAといった言葉を聞いた事がありませんか?
特に青魚などに多く含まれている脂になります。
「魚を食べると♪頭・頭・あたまが良くなる~♪」の歌ご存じの方多いと思います。
とても皆さんの記憶に残る歌ですが、その歌の通り、魚は脳にとても有効な栄養素なのです。
そして、もう1つ。リン脂質も重要。
聞きなれない名前かもしれませんが、主にレシチン(大豆や卵黄に含まれる)が代表的です。
脳の神経細胞は、このリン脂質でできた細胞膜によって包まれています。
また、神経細胞間の情報伝達の場であるシナプスの形成と機能にも深く関わっています。
なので、リン脂質が不足すると学習能力の低下、記憶力の低下、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患のリスクを高める可能性も指摘されています。
脂質というと「太る」というイメージがありますが、実は脳には、そして体にはとても重要なものなのです。(ただ、摂りすぎには注意してくださいね・・)
さて、次に2つ目の栄養素。
それは【タンパク質】。
脳の40%は【タンパク質】でできているのです。
脳の神経細胞は、絶えず新しい繋がりを作り、古い繋がりを修復しています。
この過程には、タンパク質が不可欠です。
また、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど聞いたことあると思います。
このような神経伝達物質は、タンパク質から作られます。
これらの神経伝達物質は、気分、やる気、集中力など、私たちの心の状態を大きく左右しています。
また、ブドウ糖が脳の主なエネルギー源ですが、タンパク質もエネルギー源として利用されます。
特に、長時間集中力を維持する際には、重要な役割を果たしています。
そこで、こちらも良質なタンパク質=必須アミノ酸を摂る必要があるのです。
必須アミノ酸は 体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
トリプトファン(セロトニンの原料)、チロシン(ドーパミンの原料)などは、脳の機能に特に重要な役割を果たしますので良質なタンパク質。 肉、魚、卵、大豆製品など、バランス良く摂取することが大切です。
この様に脳を作っている栄養素は【脂質】【タンパク質】。
そして脳のエネルギー源は前回ご紹介した【糖質】。
これらの3大栄養素をバランスよく食事に取り入れるのが学力向上への近道となります。そのことを知り、少しでも意識しながら毎日の食事に取り入れるだけで大きな一歩になると思っています。
そして、また、この3つの栄養素を上手く働かせるためにはビタミン・ミネラルも不可欠となってきます。また、詳しくお話させていただきたいと思います。
本日の受験必勝フード
■漬け鯵のビビンバ
鯵の良質な脂質とタンパク質で脳を元気に!
【材料】2人分
鯵……1尾
ニンジン……1/3本
ほうれん草……1/4束
もやし……1/3袋
かいわれ大根……1/4パック
卵黄……2個
ご飯……2膳
A
コチジャン……大さじ1/2
ごま油……大さじ1/2
醤油……大さじ1/2
ごま油……小さじ3
鶏がらスープの素……小さじ1
白いりゴマ……大さじ1/2
【作り方】
1、 鯵は3枚おろしにし、骨、薄皮を取りそぎ切りにする。混ぜ合わせたAを加え漬け込む。
2、 ニンジンは千切りにしてごま油小さじ1、鶏ガラスープの素小さじ1/3を混ぜる。ほうれん草は3㎝幅に切りラップをかけ電子レンジ1分かけ、ごま油、鶏がらスープの素小さじ1/3を混ぜ合わせる。もやしはラップをして電子レンジ1分かけ、ごま油小さじ1、鶏ガラスープの素小さじ1/3を混ぜる。
3、 器にご飯を盛り、①、②をのせ卵黄をのせかいわれ大根を添える。白いりゴマをかける。
◎ポイント
鯵にはDHA・EPAが豊富。積極的に摂り入れることで、脳の機能をサポートします。
またたんぱく質はセロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質の合成を促進し、気分や学習能力、記憶力などに良い影響を与えてくれますよ。
お米をしっかり摂り入れて脳のエネルギーチャージも忘れずに!
鯵は刺身用の切り身を使うと手軽に出来ます。
コチジャンの辛味はお好みで調整してください。
◎著者紹介
尾田 衣子 先生
(株式会社アシェット代表/受験必勝フードサポーター・料理研究家・分子栄養学アドバイザー)
会社員時代に新人研修を担当として鍛えた「教えるスキル」と、美味しいものを食べる事が好きで研究した料理のスキルより、料理研究家として独立。料理教室、企業へのレシピ提供、レシピ本執筆、テレビ出演などと活動していたが、我が子が中学受験に挑む事になり、子供の受験サポートに注力する。
しかし、塾の送迎、プリントの仕訳けと手をかける程に我が子の「なぜケアレスミスが多いの?」「ゲームは集中してやるのに、勉強はどうして集中出来ない?」と、イライラが募り、悪循環に陥る。
そんな時に分子栄養学アドバイザー資格を取得。「成績を上げる栄養」にフォーカスして学びを深め、我が子と一緒に食事を見直したところ、子供の学力が上がるのを実感。
この経験で、改めて受験期の子どもの心身の成長には、それに適した栄養が不可欠という事を知り、かつての自分と同じような悩みを持つ受験時の親子を食でサポートすべく、受験必勝サポーターとして活動中。