【連載第4回】受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜

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受験必勝フードサポーターとして活動されている尾田 衣子先生。
「受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜」と題して、全7回のコラムと受験必勝フードのレシピをご紹介していただきます。
今回は第4回目です!

 

 ④ 脳と体の基盤は何歳までに完成?食事が未来を左右する理由

皆さん、こんにちは。受験必勝フードサポーターの尾田衣子です。

 

子どもの脳や体は、実は15歳までにその基盤がほぼ完成します。つまり、今の食事が子どもの学力や将来の健康に大きな影響を与えるのです。栄養で子どもの未来を支えませんか?今から意識を変えるだけでしっかりと子供への栄養サポートが出来ますよ!

 

脳と体の基盤は15歳までにほぼ完成

 

15歳までに脳と体の発達がほぼ完成するという事実は、多くの親御さんが知らないかもしれません。しかし、これは科学的に証明されています。幼児期から思春期にかけて、脳は急速に発達し、シナプス(神経細胞同士が連絡する接点)が形成され、神経細胞同士の結びつきが強化されます。

 

このプロセスは特に3歳から6歳までにピークを迎え、その後思春期に再び活発になりますが、15歳を過ぎると脳の発達速度は著しく鈍化します。脳の構造はほぼ固定化され、学習能力や感情の処理能力に影響を与える神経回路が整うのです。

 

この時期に、どのような栄養素を摂取していたかが将来の脳の機能や健康に直結します。鉄分や亜鉛、ビタミンD、オメガ3脂肪酸など、脳に必要な栄養が不足していると、シナプスの形成が不完全になり、記憶力や集中力に支障をきたす可能性が高まります。

 

例えば、研究では、オメガ3脂肪酸が不足している子どもは、学力テストの成績が平均よりも低い傾向にあることが確認されています。

 

参照:SGS総合栄養学院

 

こちらは有名な「スキャモンの発育曲線」です。成長を4つの発育に分けて示しているグラフなんです。

 

下から、紫は生殖器の成長。12歳ごろから20歳ごろぐっと伸びています。

 

緑は一般型。これは身長や体重を表しています。もちろん人にもよりますが、平均して9歳あたりから伸びていくのが分かります。そして14歳ごろから骨が伸びていくのがわかりますよね。

 

青は神経型。これが脳の部分です。脳の発達は6歳くらいまでの時期が特に著しく発達しているのが分かります。既にこの時点で7080%が確立していますよね。指先 リズム感などを含め神経型の発達は6歳くらいまでにほぼ完成してしまいます。

 

そして、オレンジは強い体をつくる免疫力(リンパ型)。6歳から急上昇し12歳がピーク。ここでしっかりと栄養を意識することでその後の強い体作りの土台が出来上がるのが分かるかと思います。

 

その後も成長を続けますが15歳で基礎が出来上がります。

特に脳の成長は小学生の間に90%が完成。その為、この時期の栄養がとても大切なのが分かります。脳が作られる時期にマーガリンなどのトランス脂肪酸の摂取はNGというのも頷けますよね。

 

子どもの脳は食べ物で変わる

 

以前にもお話していますが、脳は、摂取した食べ物から得られる栄養を使って構築されています。つまり、毎日何を食べるかが脳の成長や機能に直接的な影響を与えるのです。

 

例えば、脳はエネルギーの消費量が非常に多いため、エネルギー源である炭水化物やタンパク質を含む食事が必要です。炭水化物は、脳がエネルギーとして使うグルコースに変わり、集中力や記憶力をサポートします。一方で、過剰な砂糖の摂取は、血糖値の急上昇と急降下を引き起こし、集中力の低下や感情の不安定さを招くことがあります。

 

また、DHAは脳の構造自体に影響を与える重要な脂肪酸であり、特に記憶や学習機能に関わっています。DHAは魚に多く含まれますが、現代の食生活では不足しがちです。この不足が続くと、脳のシナプスの伝達速度が遅くなり、情報の処理能力が低下すると言われています。

 

さらに、脳は抗酸化物質を必要とします。ブルーベリーやビタミンEを含む食品は、脳の老化を防ぎ、神経細胞の損傷を減らす効果があります。これにより、記憶力や認知機能が保持されるため、受験勉強にも良い影響を与えるのです。

 

15歳までに整えるべき食事のポイント

 

15歳までに脳や体の基盤が整うため、この時期の食事は特に重要です。では、どのような栄養素を意識して摂取させるべきでしょうか?

 

  1. タンパク質
    タンパク質は脳の神経伝達物質を作る材料です。特に、記憶や集中力を高めるために重要なドーパミンやセロトニンの生成を助けます。肉や魚、大豆製品、卵などからバランスよく摂取することが必要です。
  2. オメガ3脂肪酸
    魚に含まれるDHAEPAは、脳の神経細胞の働きをサポートし、シナプスの伝達を円滑にします。
  3. ビタミンとミネラル
    特に、鉄分、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンDが重要です。これらは脳のエネルギー代謝や神経伝達物質の生成に関わり、不足すると疲れやすくなったり、集中力が続かなくなります。野菜や果物、赤身の肉、乳製品などを積極的に摂らせることが大切です。

 

また、規則正しい食事時間も非常に重要です。

特に朝食は、脳にエネルギーを供給し、一日の始まりを効率的にスタートさせるために欠かせません。朝食を抜くと、集中力が続かず、学習の効率が下がることが多くの研究で示されています。

 

15歳までに脳や体の基盤はほぼ完成します。

そのため、今の食事が将来の学力や健康に大きく影響を与えるのです。適切な栄養を摂ることで、脳の発達を最大限にサポートし、子どもの学習能力ややる気・集中力を引き出すことができます。

タンパク質、オメガ3脂肪酸、ビタミン・ミネラルを含むバランスの取れた食事を提供することで、親としての栄養サポートが学力向上につながります。

今こそ、食事を見直し、子どもの未来をサポートしていきましょう!


 本日の受験必勝フード

 

鮭ときのこのピリ辛炒め

 

タンパク質やオメガ3脂肪酸、ビタミン・ミネラルで神経細胞の働きをサポート出来る一品!

 

【材料】2人分

鮭……2切

人参……1

しいたけ……4

舞茸……1パック

ブロッコリー……1/3

小麦粉……大さじ2

A

味噌……大さじ1

豆板醤……小さじ1

すし酢・・・…大さじ1 1/2

醤油……小さじ1

 

粉山椒……適量

サラダ油……適量

 

【作り方】

1、鮭は3㎝幅ほどに切る。舞茸は大振りに手でさく。人参は皮をむき1㎝の輪切りにする。しいたけは茎を切り落とし2等分に切る。ブロッコリーは花房に分ける。Aの調味料は合わせておく。

 

2、①の鮭に小麦粉をはたきサラダ油を熱したフライパンで焼く。鮭を取り出し、野菜を炒める。

 

3、鮭と野菜を合わせAの調味料を加え和え、器に盛りつけ粉山椒をかける。

 

◆栄養ポイント

鮭はDHAEPA、抗酸化物質、ビタミンD、ビタミンB群など、脳の健康と発達に非常に重要な栄養素を豊富に含んでいます。これらの成分は脳細胞の機能を向上させ、認知力や記憶力、集中力をサポートします。

 

きのこ類ビタミンのDは集中力ややる気を高めるために重要な栄養素。また、ビタミンB群(特にビタミンB2B3B6)が豊富。これらのビタミンは、体内でエネルギーを効率的に生成するのを助け、脳の働きを支える重要な栄養素です。

 

人参やブロッコリーは緑葉食野菜。葉酸やビタミンK、抗酸化物質、鉄分、食物繊維など、受験生にとって脳機能や集中力向上に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。

 

◆料理ポイント

鮭に小麦粉を振ることで旨味を閉じ込めるとともに調味料が絡みやすくなります。


◎著者紹介

 

尾田 衣子 先生

(株式会社アシェット代表/受験必勝フードサポーター・料理研究家・分子栄養学アドバイザー)

会社員時代に新人研修を担当として鍛えた「教えるスキル」と、美味しいものを食べる事が好きで研究した料理のスキルより、料理研究家として独立。料理教室、企業へのレシピ提供、レシピ本執筆、テレビ出演などと活動していたが、我が子が中学受験に挑む事になり、子供の受験サポートに注力する。
しかし、塾の送迎、プリントの仕訳けと手をかける程に我が子の「なぜケアレスミスが多いの?」「ゲームは集中してやるのに、勉強はどうして集中出来ない?」と、イライラが募り、悪循環に陥る。
そんな時に分子栄養学アドバイザー資格を取得。「成績を上げる栄養」にフォーカスして学びを深め、我が子と一緒に食事を見直したところ、子供の学力が上がるのを実感。
この経験で、改めて受験期の子どもの心身の成長には、それに適した栄養が不可欠という事を知り、かつての自分と同じような悩みを持つ受験時の親子を食でサポートすべく、受験必勝サポーターとして活動中。

 

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