【連載第5回】受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜

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  • 好奇心旺盛だ
  • いろいろなことに挑戦したい


受験必勝フードサポーターとして活動されている尾田 衣子先生。
「受験生の成績UPには栄養が鍵〜集中力を上げケアレスミスを無くすには〜」と題して、全7回のコラムと受験必勝フードのレシピをご紹介していただきます。
今回は第5回目です!

 

 ⑤ 頭の良さは食事で決まる!学力アップの栄養法則~頭の良し悪しは遺伝で決まらないって本当?~

皆さん、こんにちは。受験必勝フードサポーターの尾田衣子です。

 

「頭の良し悪しは遺伝だから」と諦めていませんか?実は、学力向上に大きく影響を与えるのは、環境因子、特に食事が70%を占めています。その点を考えれば成績向上は親が整えられる環境が鍵なのです!

 

 

頭の良し悪しは遺伝だけでは決まらない

 

よく「頭の良さは遺伝で決まる」という言葉を耳にしますが、それは完全な真実ではありません。

確かに遺伝は脳の構造や基本的な認知能力に影響を与えますが、全体の90%にあたるのは「環境因子」です。この環境因子が、遺伝によるポテンシャルをどれだけ引き出せるかを決定づけるのです。

 

環境因子には、学習環境、生活習慣、そして最も重要な食事が含まれます。

例えば、同じ遺伝的素質を持つ双子が異なる環境で育つと、学力や認知能力が大きく異なることが多くの研究で示されています。アメリカ心理学会の研究によれば、適切な栄養素を摂取している子どもたちは、脳のシナプス(神経細胞の接続部分)が活性化し、情報の伝達速度が向上します。これにより、やる気や集中力が高まり、学習効率がアップするのです!

つまり、遺伝だけに頼るのではなく、食事や学習環境の整備が子どもの潜在能力を最大限に引き出すカギとなります。

 

食事がこれほどまでに重要である理由は、脳が常に新しい情報を処理し、成長するために大量のエネルギーを消費しているからです。エネルギー不足や必要な栄養素の欠乏は、脳の働きに悪影響を与え、学習能力低下を生み出してしまいます。

 

 

環境因子の70%は「食事」が占める

 

環境因子の中で最も大きな影響を与えるのが食事です。

これはなぜかと言うと、脳は非常にエネルギーを消費する器官であり、日々の栄養素が脳の活動に直接的に影響を与えるためです。特に、子どもたちの脳はまだ発展途上であり、必要な栄養を正しく摂取することで、その成長を支えることができるのです。

 

例えば、朝食を抜いた場合、血糖値が低下し、脳が十分なエネルギーを得られなくなります。その結果、注意力が散漫になり、思考のスピードが遅くなる傾向があります。また、鉄分やビタミンB群、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの栄養素が不足していると、記憶力や学習意欲にも悪影響を及ぼします。

 

さらに、間食にも気をつける必要があります。砂糖が多く含まれたお菓子などを摂取すると、血糖値が急激に上がり、短時間で急降下します。これにより、集中力が途切れやすくなるのです。反対に、ナッツや果物など、ゆっくりとエネルギーを供給する食材を選ぶことで、脳が安定して働き続けることができます。

 

全国一斉の学力テストで「朝食をしっかり食べている子の学業成績は、そうでない子と比べて約2割高い」という結果が出ています(1)。長年繰り返し、10万人を対象に調査しても結論はいつも同じ。これには国も衝撃を受け、文部科学省主導で「早寝・早起き・朝ごはん」運動が始まっているのもご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

(図1)

出典:農林水産省

 

親ができる環境因子の整え方

 

親が子どもの学習に影響を与えるもう一つの重要な要素は、食事以外にもあります。規則正しい生活習慣、ストレスの少ない学習環境、そして心のサポートです。これらの要素を整えることで、子どもが集中して学習に取り組める環境を作り上げることができます。

 

まず、睡眠時間の管理です。スマートフォンやテレビの使用を夜遅くまで続けると、子どもの脳は休む時間を得られず、学習効率が下がります。アメリカ睡眠財団の調査によれば、十分な睡眠を取った子どもは、そうでない子どもよりも認知テストで高いスコアを記録しました。規則正しい睡眠は脳の疲労を取り除き、翌日の学習に備えるためにも不可欠です。

 

また、家庭での食事は、親が手軽に改善できる栄養サポートです。

例えば、朝食に卵や青魚、野菜を含むバランスの取れたメニューを取り入れることで、集中力を高めるためのエネルギーを与えることができます。また、おやつにはナッツやフルーツなど、脳に優しいスナックを提供することで、長時間の学習をサポートできます。こうした工夫を通じて、子どもがベストな状態で勉強に取り組めるように環境を整えてあげることが重要です。

 

頭の良さは遺伝だけで決まるわけではなく、環境因子が90%。

その中でも特に食事が70%を占める重要な要素です。親が日常的にサポートできる部分として、栄養バランスの取れた食事や規則正しい生活習慣を提供することが、子どもの学力向上や集中力の持続につながります。

今からできる食事改善や生活環境の見直しで、子どもの受験勉強を最大限サポートしていきましょう!


 本日の受験必勝フード

 

■鯖とオリーブの全粒粉パスタ

オメガ3脂肪酸たっぷりで脳の活力アップ!

 

【材料】2人分

全粒粉パスタ…160

鯖缶…160

黒オリーブ輪切り…30

みょうが…2

にんにく…1かけ

赤唐辛子…1/2

オリーブオイル適量

塩・コショウ適量

 

【作り方】

1、たっぷりの湯に塩を加え全粒粉パスタを茹でる。

 

2、にんにくはみじん切りにし、みょうがは小口切りにする。

 

3、フライパンにオリーブオイルを熱しニンニク、赤唐辛子、オリーブを炒める。

 

4、に鯖缶を汁ごと入れ、塩・コショウで味を整える。

 

5を加え混ぜ器に盛り付け茗荷を散らす。

 

◆栄養ポイント

鯖は、DHAで記憶力・集中力を高め、ビタミンDやたんぱく質で体のエネルギーをサポートする、受験生に最適な脳の栄養源!鯖缶を使うことで骨まで食べられて栄養価がup

 

オリーブは、オレイン酸が脳の血流を促進し、抗酸化作用でストレスを軽減するため、受験生の集中力や疲労回復をサポート。

 

全粒粉パスタは食物繊維とビタミンB群が脳のエネルギーを安定供給し、集中力や持久力をサポートする受験生に最適な炭水化物!


◎著者紹介

 

尾田 衣子 先生

(株式会社アシェット代表/受験必勝フードサポーター・料理研究家・分子栄養学アドバイザー)

会社員時代に新人研修を担当として鍛えた「教えるスキル」と、美味しいものを食べる事が好きで研究した料理のスキルより、料理研究家として独立。料理教室、企業へのレシピ提供、レシピ本執筆、テレビ出演などと活動していたが、我が子が中学受験に挑む事になり、子供の受験サポートに注力する。
しかし、塾の送迎、プリントの仕訳けと手をかける程に我が子の「なぜケアレスミスが多いの?」「ゲームは集中してやるのに、勉強はどうして集中出来ない?」と、イライラが募り、悪循環に陥る。
そんな時に分子栄養学アドバイザー資格を取得。「成績を上げる栄養」にフォーカスして学びを深め、我が子と一緒に食事を見直したところ、子供の学力が上がるのを実感。
この経験で、改めて受験期の子どもの心身の成長には、それに適した栄養が不可欠という事を知り、かつての自分と同じような悩みを持つ受験時の親子を食でサポートすべく、受験必勝サポーターとして活動中。

 

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