東京都、令和7年度都立高の入試報告書を公表_ネット出願を継続等

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出典:東京都教育委員会

 

東京都教育委員会は令和7年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を発表した。

 

この報告書は「令和7年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」が令和6年度入学者選抜の検証を行い、令和7年度入学者選抜以降の改善策について検討したものを取りまとめたもの。

 

新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を踏まえた主な対応として、推薦に基づく選抜での集団討論については令和6年度入学者選抜と同様に各校の判断で実施を決定することとした。文化・スポーツ等特別推薦においては、面接や実技検査の実施が可能となっているため、「実績等を証明する書類等の写し」の提出を求めない方向で進めるとのこと。

 

追検査については、第一次募集の検査日当日に、新型コロナウイルス感染症を含むインフルエンザ等学校感染症に罹患した者、学校保健安全法第19条により中学校長が出席停止の措置を行った者、月経随伴症状の者や痴漢被害者、やむを得ない入院等で受検できなかった者等に受検機会を確保する目的で実施する「追検査」については継続して実施することとなった。また、「追々検査」については令和6年度入学者選抜に引き続き原則行わないこととなった。

 

インターネットを活用した出願及び合否照会は、受検者の利便性が高いことから、システムの利便性の向上に係る改修を実施しつつ、継続して実施することとなった。

 

令和6年度入学者選抜まで用いていた「特別措置」については名称を「受検上の配慮」と変更した上で、中学校からの申請に基づき、受検者の障害の状況等を踏まえた配慮を引き続き実施する。学力検査におけるICT機器の活用については実施上の課題を整理した上で実施できるよう引き続き検討。学力検査におけるUDフォントの導入については早期に導入するよう進める。

 

在京外国人生徒対象の選抜については、日本語指導が必要な日本国籍の生徒の増加が見込まれることから、応募資格において、これまで外国籍を有する者に限定していた国籍要件を撤廃し、日本語指導が必要な日本国籍の者の応募資格を認める方向で進める。中学校への入学準備のために入学日より前に入国するケースもあることから、入国後の在日期間を延長する方向で進める。

また、ルビ付問題・辞書持込みの申請要件については、在京外国人生徒等対象の選抜の応募資格に合わせる方向で進める。

 

通信制課程については、4月第1週目に実施している学力検査等の選抜日程が、都立高校の通信制課程を主体的に選択する生徒にとって、必ずしもニーズに合致しているとはいえないことから、都立高校の通信制課程の選抜を分割し、前期選抜として4月よりも早い時期に実施、4月の入学者選抜を後期選抜として定員を一定数確保して実施する方向で検討する。

 

受検者に複数の受検機会を確保し、都立高校を志望する者へのセーフティネットの役割を果たすために、平成10年度入学者選抜から導入した分割選抜については、かつての役割は概ね終えているという実態があるため、全日制高校については分割募集を廃止、昼夜間定時制高校については継続して実施という方向で検討する。

 

専門学科における選抜方法については、受検者の当該学科に関する学力や適性等を見るために、各高校の特色やスクールポリシーに応じて学力検査を実施する教科を設定できるようにする方向で検討する。また、受検者の当該学科に関する意欲や適性等を見るために、面接や作文等、学力検査以外の検査の実施や、選抜に用いる資料の提出を事前に求めるなど、各高校の特色やスクールポリシーに応じて検査を実施できるようにする方向で引き続き検討する。

 

入学者選抜における調査書の取り扱いについては、不登校経験のある生徒等が都立高校を心理的負担なく受験しやすくするために、全日制の普通科等における入学者選抜においても、学力検査の得点と調査書点の比率を7対3としている現行の比率についての取扱いや、比率を変更する場合の募集人員の設定・規模等について引き続き検討する。

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