中学生の内申点を本気で上げるための完全ガイド
「点数」より、
「学びへの姿勢」が評価される時代へ。
中学生の内申点を本気で上げるための完全ガイド
「内申点を上げたい」――この相談を受けない月はありません。確かに高校入試において内申点は重要です。しかし、テクニックだけで内申を追いかけると、かえって遠回りになるのが現実です。本記事では、評価の仕組みを正しく理解した上で、明日から実行できる「本物の」内申点アップ術をお伝えします。
CONTENTS
- そもそも内申点とは?評価される「3つの観点」
- 多くの中学生が誤解している、評価の「本質」
- 内申点を上げる王道5ステップ
- 塾長が現場で見つけた「効く」工夫7選
- 学年別・今日から始める行動リスト
- 保護者の方へ ―― やってはいけない3つのこと
1. そもそも内申点とは?評価される「3つの観点」
内申点とは、通知表の評定(1〜5)を9教科分合計した数値です。国・数・英・理・社の主要5教科+音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科で、満点は45点。多くの都道府県で、中学3年の成績が特に重視されます。
そして2021年度から、評定は次の3つの観点で決まるようになりました。
OBSERVATION 1
知識・技能
定期テスト・小テストの点数。「知っているか」「できるか」を測る、最もわかりやすい観点。
OBSERVATION 2
思考・判断・表現
レポート、発表、ノート、作品、記述問題など。「知識をどう使うか」が見られる。
OBSERVATION 3
主体的に学習に取り組む態度
授業態度、提出物の質と期限、振り返りシート、ノートの工夫など。「学ぼうとする意志」を評価。
📌 重要:3つの観点はすべてA・B・Cで評価され、その組み合わせで最終的な「1〜5」が決まります。テストの点数だけが内申を決めるわけではないという前提を、まずしっかり押さえてください。
2. 多くの中学生が誤解している、評価の「本質」
塾の現場で、私が日々感じていることがあります。それは「内申点を取りに行こうとする生徒ほど、内申が伸びない」という事実です。
なぜでしょうか。理由はシンプルで、学校の先生は「点数稼ぎ」を見抜くプロだからです。授業中に手を挙げる回数を数えていたり、ノートを派手に色分けすることに労力を割いたり――そうした「演技」は、長年生徒を見てきた教師にはすぐ伝わります。
新しい学習指導要領のもとで導入された3観点評価は、文部科学省が「学んだ知識を使って、自分で考え、表現し、学び続けられる人」を育てようとする意思の表れです。つまり、観点別評価は「テクニックでごまかせないように設計されている」のです。
だからこそ、内申点を上げる最短ルートは、「内申点だけを狙わないこと」。学びそのものに向き合った結果として、評定が上がっていく――これが本筋です。とはいえ、その「向き合い方」には具体的なコツがあります。次章から、現場で本当に効く方法を順にご紹介します。
3. 内申点を上げる王道5ステップ
定期テストは「逆算」で動く
テスト範囲が出る2週間前ではなく、前のテストが終わった瞬間から次のテストは始まっています。日々の授業内容を、その日のうちに10分振り返るだけで、テスト直前の負担は半分以下になります。
💡 目安:評定「5」を目指すなら、定期テストで90点以上が一つの基準。ただし85点でも他観点がAなら5が付くケースもあります。
提出物は「完成度」で勝負する
ワークやノートは「出した/出さない」の二択ではありません。答えを写しただけのワークと、間違えた問題に印をつけて解き直した跡があるワークでは、A評価とC評価ほどの差がつきます。
💡 提出物の質を上げる3点セット:①間違えた問題に色マーカー ②なぜ間違えたかを1行メモ ③解き直しの跡を残す
授業中の「リアクション」を変える
挙手の回数より大切なのは、「聞いている顔」です。先生の話に頷く、笑顔で反応する、メモを取る――これだけで「主体的態度」の評価は確実に上がります。挙手が苦手な生徒は、まずここから始めてください。
💡 発言が苦手な人へ:現在は発言回数で評価はできなくなりました。ちゃんと参加していると知らせることが大切です。
実技4教科を「軽視しない」
音楽・美術・保健体育・技術家庭。これらは主要5教科と同じ重みで内申に入ります。多くの都道府県(東京都など)では、実技教科の評定が2倍換算される入試制度すらあります。
💡 実技で5を取るコツ:才能ではなく「真剣に取り組む姿勢」を見せること。下手でも全力でやれば評価されます。作品提出は期限の3日前を目標に。
「振り返り」を習慣化する
3観点評価で最も差がつくのが「主体的態度」。これを支えるのが振り返りシートや単元末のまとめです。「次はどうするか」を自分の言葉で書ける生徒は、確実にA評価を取ります。
💡 振り返り3行ルール:①今日わかったこと ②まだわからないこと ③次に試したいこと
4. 教育現場で見つけた「効く」工夫7選
ここからは、教科書には書かれていない、現場で実際に成果が出ている工夫をお伝えします。小さな差が、観点評価では大きな差になります。
| 01 |
テスト返却時の「直し」を絶対やる 返ってきたテストを白紙に解き直し、先生に提出する生徒は驚くほど少ない。これをやるだけで「主体的態度A」がほぼ確定します。 |
| 02 |
ノートに「余白の問い」を作る 板書を写すだけのノートはBどまり。右端や下に「なぜそうなる?」「他の例は?」と自分の疑問を書く。先生はノートを見て驚き、確実にA評価をつけます。 |
| 03 |
質問は「授業の終わり」に行く 休み時間の冒頭に教卓へ行き、「今日の○○のところがわからなかったので教えてください」と聞く。先生は「この生徒は聞いている」と認識します。週1回でも効果は絶大。わからないところがなくたって、「これは〇〇ということであっていますか?」でもいいんです。 |
| 04 |
小テストを侮らない 英単語テストや漢字テスト。1回ずつは小さくても、知識・技能評価の累計データになります。「常に満点を取る」意識を持つだけで評価は大きく変わります。 |
| 05 |
委員・係を引き受ける 学級委員や教科係は、先生と接する機会が増える=あなたの努力を見てもらえる機会が増えるということ。直接の加点はなくても、観点評価の「印象」は確実に変わります。 |
| 06 |
教科書の「コラム」を読む 本文だけでなく、コラムや発展ページを読んでおく。授業中にその話題が出たとき、「あ、それ知ってる!」という反応ができ、表現の場面で活きます。 |
| 07 |
「ありがとうございました」を言う 授業終わりに先生に挨拶する生徒は驚くほど少ない。これだけで先生の記憶に残ります。礼儀は評価項目に直接入っていなくても、観点評価は人間が下すものです。 |
5. 学年別・今日から始める行動リスト
「いつから始めればいいか」――これも頻繁に聞かれる質問です。答えはシンプル、「気づいた今日から」です。学年別に優先順位を示します。
FOR JUNIOR 1ST GRADE
中学1年生 ―― 「習慣」を作る
- 提出物は期限の前日提出を当たり前に
- 授業中に「先生の目を見て頷く」を意識
- 定期テスト後の「直し」を必ずやる
- 実技教科を絶対に侮らない
FOR JUNIOR 2ND GRADE
中学2年生 ―― 「弱点」を潰す
- 苦手教科の「2を3に」を最優先(伸びしろが大きい)
- ノートに「自分の問い」を1日1つ書く
- 質問に行く先生を月1人ずつ増やす
- 振り返りシートを丁寧に書く(特に英語・国語)
FOR JUNIOR 3RD GRADE
中学3年生 ―― 「全方位」で勝負
- 1学期・2学期の評定が勝負(多くの自治体で2学期確定値が使用)
- 3観点すべてでAを狙う意識を持つ
- 志望校に必要な内申点を早期確認し、ギャップを把握
- 実技教科の作品・実技テストは「全力」で取り組む
6. 保護者の方へ ―― やってはいけない3つのこと
最後に、保護者の方に向けて。お子さんの内申点を心配する気持ちは痛いほど分かります。しかし、良かれと思った行動が、かえって逆効果になることがあります。教育の現場から、強くお伝えしたい3つのことです。
⚠️ NG 01
通知表を見て「点数」で叱らない
「なぜ4なの?」と詰めると、お子さんは「学び」ではなく「親の機嫌」を気にするようになります。まず「何が良かったか」を一緒に探してください。
⚠️ NG 02
「先生に媚びろ」と教えない
先生は子どもより遥かに人間観察に長けています。媚びは確実に見抜かれ、逆効果。「学ぼうとする姿勢を見せなさい」と伝えてください。
⚠️ NG 03
内申点だけが「価値」と思わせない
数字に追われる中学生は、高校に入った瞬間に学びへの興味を失います。内申点は「結果」であって「目的」ではない――この感覚を、家庭でも共有してほしいと願っています。
CONCLUSION
内申点は、
「学びの誠実さ」の通知簿。
テクニックではなく、日々の小さな誠実さ。
提出物に1つ余計な工夫を加える、授業中にひと頷きする、振り返りを3行書く――。
こうした小さな積み重ねが、3観点評価のすべてを底上げします。
「内申点を上げる」ではなく、「学びに向き合う自分を育てる」。
その結果として、評定は必ずついてきます。