しまね留学:公立高校進学の新しいカタチ

「地元以外の高校に進学する」という選択肢を、考えたことはあるでしょうか。島根県が推進する「しまね留学」は、県外の中学生が島根の公立高校に進学し、自然や地域と深く関わりながら3年間を過ごす制度です。大都市圏では体験しにくい少人数教育・専門的な学び・地域との共創が、しまね留学の核心にあります。近年は首都圏・関西圏からの参加者が増加しており、進路の新しい選択肢として注目を集めています。

「しまね留学」とは何か

しまね留学とは、島根県が公式に推進する「県外生徒の公立高校進学支援制度」です。島根県内の公立高校には、農業・工業・水産・福祉・観光など多様な専門学科を持つ学校が多く、都市部では経験できない実践的な学びの場が充実しています。

島根の自然・産業・文化と結びついた探究学習、地域の大人たちとの協働プロジェクト、少人数ならではの深い師弟関係——そういった体験を通じて、生徒が「自分の興味や将来の目標」を見つけていける環境が整っています。

どんな中学生に向いているか

🌿 自然・環境に関心がある

海・山・農地に囲まれた環境で、実体験を通じた学びを求める生徒に向いています。

🏫 少人数の環境で学びたい

生徒数が少ないため、先生との距離が近く、一人ひとりに合わせた指導を受けやすい環境です。

🌏 新しい環境で自分を変えたい

地元を離れ、寮生活や地域交流を通じて自立心・コミュニケーション力を育てたい生徒に向いています。

🔬 専門的な学びを早くから始めたい

農業・工業・福祉・観光など、高校段階から実践的なスキルを身につけたい生徒に最適です。

体験ツアーで訪問できる高校の紹介

今夏の体験バスツアーでは、西部・東部あわせて9校を訪問します。それぞれの高校に個性と特色があります。

西部コース訪問校

高校名 所在地・特色 訪問日
矢上高校 邑南町。農業&工業系学科、普通科。地域おこしや農産物加工など地域密着の学びが特色です。 1日目
江津工業高校 江津市。電気・建設・機械・ロボットなど工業系専門学科が充実しています。ものづくりに関心のある生徒に人気です。 2日目
江津高校 江津市。日本海を一望できる高台という立地にある普通科高校。地域の多くの大人が様々な形で学校に関わり、生徒たちの探求学習やキャリア教育に関わっている。 2日目
吉賀高校 吉賀町。中山間地域に位置し、地域と連携した探究学習が充実しています。学校規模が小さく、教師との距離が近いです。 3日目
津和野高校 津和野町。「小京都」と呼ばれる歴史ある町に立地する普通科高校で、大学進学も視野に入れた学習環境が整っています。 3日目

東部コース訪問校

高校名 所在地・特色 訪問日
大田高校 大田市。世界遺産・石見銀山に近い立地です。普通科・理数科を持ち、進学実績も安定しています。 1日目
島根中央高校 川本町。普通科。しまね留学で最も県外生が多く、在校生の出身中学校は全国 100 以上。様々な地域から集まった生徒たちを地域が強力にバックアップしています。 1日目
飯南高校 飯南町。中山間地に位置し、豊かな自然をフィールドにした「生命地域学」を展開し、自然との共存や伝統文化を学びつつ、将来に向けてのキャリア教育を実践しています。 2日目
横田高校 奥出雲町。「たたら製鉄」の地域文化が息づく地域に立地する普通科高校で、少人数教育を実践しています。 2日目
三刀屋高校 雲南市。様々なコースを持つ総合学科で、伝統的な進学校。 3日目

しまね留学にかかる費用の目安

「費用が高そう」というイメージを持つ保護者の方も多いですが、島根の公立高校は授業料が国の就学支援金で実質無償化される世帯も多く、都市部の私立高校と比較すると大幅にコストを抑えられるケースが多いです。以下に主な費用の目安をご確認ください。

費用項目 目安・備考
授業料 公立高校水準(年間約118,800円)。所得要件を満たす世帯は就学支援金で実質無償となります。
寮費(食費込み) 学校によって異なりますが、月額3〜5万円台が多いです。3年間合計で100〜200万円程度が目安です。
帰省交通費 年数回の帰省にかかる新幹線・飛行機代です。東京〜出雲間の航空券は時期によって変動します。
教材・制服費 入学時に数万円〜十数万円程度(学校によって異なります)。
奨学金・支援制度 島根県・各市町村が独自の奨学金・定住支援金を設けているケースがあります。詳細は各学校・市町村にご確認ください。

費用比較のポイント

都市部の私立高校(授業料+各種費用で年間100〜150万円超)と比べると、しまね留学は寮費込みでも3年間トータルで近い水準か、場合によってはむしろ抑えられることもあります。子どもが自宅を離れる分、下宿・一人暮らしよりも管理された環境で生活できる点は、保護者の皆さまにとって安心材料になるでしょう。

保護者からよくある質問(Q&A)

Q. 中学3年生の途中でも申し込めますか?

A. しまね留学の体験ツアーは中学3年生の保護者・生徒が主な対象です。出願・選考は各高校の入試スケジュールに準じますので、興味を持ったら早めに希望校に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

Q. 全寮制でない高校は?子どもを一人で寮に入れることが不安です。

A. 学校によって全寮制(飯南高校など)と任意寮制があります。寮では生活指導員が常駐し、食事・体調管理・生活面のサポートが日常的に行われています。多くの寮では月1回以上の帰省が認められており、定期的な親子の交流も続けられます。

なお、入学前の寮見学や生活説明会が設けられている学校も多く、不安な点は事前に学校担当者へご相談いただけます。

Q. 大学進学を考えている場合、島根の高校でも対応できますか?

A. 対応できます。津和野高校・大田高校・三刀屋高校などは普通科を中心に国公立大学・有名私立大学への進学実績を持っています。少人数環境を生かした放課後の補習・個別指導が充実しており、受験対策においても不利になるわけではありません。ただし、学校ごとに進学支援の手厚さに差がありますので、志望大学の傾向と学校の実績を照らし合わせてお選びいただくことが大切です。

Q. 友達ができるか心配です。田舎でなじめるでしょうか?

A. しまね留学生は毎年一定数おり、同じ境遇の仲間と出会いやすい環境です。少人数の学校は、大規模校に比べて一人ひとりの存在が見えやすく、教師や地域の大人たちとの距離も近いため、孤立しにくいという声が多く聞かれます。体験ツアーで在校生の話を直接聞く機会がありますので、ぜひ参加して雰囲気を確かめてみてください。

Q. 島根留学の経験が就職・進路にどう活きますか?

A. 地域と深く関わる探究学習の経験は、大学の推薦入試・AO入試(総合型選抜)において強みになるケースが増えています。また、農業・工業・福祉などの専門学科での資格取得は、就職時の即戦力として評価されます。さらに、寮での共同生活で培われた自立心・コミュニケーション能力・問題解決力は、社会に出てから高く評価されると卒業生からの声も多く寄せられています。

📌 まずは「しまね留学体験バスツアー」で確かめましょう

制度のことを調べるだけでなく、実際に学校・地域・人に触れることが、一番の判断材料になります。今夏開催の体験バスツアーは、親子で参加できる絶好の機会です。

西部コース 7月29日〜31日 申込締切:6月30日
東部コース 8月5日〜7日 申込締切:7月6日

しまね留学に関するお問い合わせ先

島根県教育庁 教育連携推進課

TEL:0852-22-6870 メール:shimane-ryugaku@pref.shimane.lg.jp

まとめ

「しまね留学」は、大都市圏とは異なるスケールで人・自然・地域とつながりながら、高校3年間を過ごせるユニークな選択肢です。少人数教育の手厚さ、専門学科での実践的な学び、寮生活を通じた自立——これらは都市部の高校ではなかなか得られない経験です。

進路の選択肢を広げるためにも、まずは体験ツアーで現地の空気を感じてみてください。パンフレットや説明会では伝わらない「リアルな学校の姿」が、きっと見えてくるはずです。