【公立と私立を比較!】高校進学にかかる費用
志望校を決めるにあたって、私立にするか公立にするかを考えるとき、
保護者の方としては学費が気になりますよね。
公立高校も私立高校も授業料実質無償化と謳われていますが、
実際どのくらいの費用がかかるのかわからない
と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では公立高校と私立高校の進学費用の比較と、
授業料の負担軽減制度を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください!
私立と公立の学校教育費
高校進学ででかかる費用は公立高校と私立高校とでは大きく差があります。
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」の結果から、学校教育費の1年間の平均額を私立と公立とで比較しました。
合計額を比べてみると、私立は公立と比べて約2.6倍の費用がかかることがわかります。
ただし、公立高校の学費は国の就学支援金制度により実質無償化されているため、その分費用が安くなっています。
また、令和2年度4月より私立高校も授業料実質無料化が始まっているため、今の平均額は上記より下がっていると推測されますが、支援金を利用しない場合は平均で上記ほどの費用がかかります。
授業料だけではなく、私立高校は海外への修学旅行の学校が多いため平均の費用が高い傾向となり、
公立高校と比べて電車を使う遠距離の学校に通う生徒が多いため平均の通学関係費も高くなっています。
都立高校と東京の私立高校の初年度納付金額
続いて、東京の都立高校と私立高校の初年度の納付金額の比較です。
都立高校の費用は、東京都の教育委員会のホームページから金額を記載しましたが、
就学支援金の支給対象の場合は授業料と同額の補助があるため納付の必要はありません。
ただし、受験料と入学金は納付する必要があります。
東京都の私立高校の費用は、文部科学省の「令和3年度私立高等学校等初年度授業料等」の東京都の平均額より作成しました。
受験料は進学する/しないに関わらず、私立高校を受験する場合には、受験料×受験校数がかかります。
また、初年度は制服や体操着などの購入も必要になります。
シャツや靴下や鞄、コートなど指定品が多い私立高校は都立高校より費用が高くなる可能性があると考えておきましょう。
私立高校の場合は授業料や設備維持費の金額の幅が広いため、初年度納付金は学校によって大きく変わります。
また、1年分をまとめて納付ではなく、分割での納入が可能な学校も多くあります。
志望校が決まったら個別相談や説明会などで授業料やそれ以外の費用がどれくらいかかるのか、納付時期や方法に関しても確認しておくといいでしょう。
塾や予備校の費用
公立/私立に関わらず、塾や予備校に通う場合はその費用もかかると想定しておきましょう。
RESMO調べでいくつかの予備校をもとに、費用感を算出しました。
入学金は多くの場合¥30,000前後のことが多いです。
春や夏などに入学金無料のキャンペーンを実施している塾や予備校もありますね。
授業料は、1科目週1回の受講で年額がおおよそ¥100,000〜¥200,000ほどとなっています。
複数の教科を受講する場合は、¥100,000〜¥200,000×科目数の費用がかかります。
その他の費用に関して内訳は施設維持費やチューター費用などそれぞれ異なりますが、
年間でおおよそ¥40,000〜¥80,000ほどかかります。
さらに、夏期講習や特別講習なども受講する場合は追加で費用が発生します。
期間や教科数によって費用が変わりますが、塾や予備校へ通うとなると、その分お金がかかります。
塾や予備校に通う必要があるかは人によりますが、例えば外部講師を招いた講習や、自習室のチューター常駐など、学校の制度をうまく活用するのも選択肢のひとつです。
志望校を選ぶときには授業以外の学習補助の制度もよく確認しておくようにしましょう!
国の就学支援制度
就学支援金とは、国が高校の授業料を支援する制度です。
支給される支援金は基本的に、在籍する学校が生徒に代わり授業料として受け取るため、保護者や生徒が直接お金を受け取ることはありません。
公立高校
公立高校の場合、支給される金額は下記の通りです。
条件としては、区市町村民税の課税標準額(課税所得額)×6%-区市町村民税の調整控除の額が
30万4,200円未満の世帯となっています。
公立高校の授業料と同額のため、対象の場合は授業料が無料です。
家族構成によりますが、目安としては世帯年収が約910万円未満の世帯が対象となります。
手続きは新入生が年2回、在校生は年1回必要です。
手続きをしないと対象であっても自動的に支給されるというわけではないので、
学校からのアナウンスをしっかりと確認しましょう。
私立高校
私立高校の場合も同様に国からの就学支援金制度を利用することができます。
条件としては、公立と同様に区市町村民税の課税標準額(課税所得額)×6%-区市町村民税の調整控除の額が基準となります。
算出額が15万4,500未満の場合、支給額は年額最大39万6,000円、
30万4,200円未満の場合、支給額は年額11万8,800円となります。
世帯年収による支給の目安はこちらです。
※文部科学省のリーフレットから作成
公立高校の併願校として私立高校を受ける場合でも、
一度、ご家庭が就学支援金の対象になるのか、どのくらい補助が出るのかを試算しておくと安心です!
自治体ごとの支援制度
公立高校と違い、私立学校のほとんどは授業料が国からの助成金を上回るため、差額を自己負担する必要があります。
その差額を埋めるため各自治体が独自に授業料の補助を行なっている場合があります。
例えば、東京都には私立高等学校等授業料軽減助成金事業というものがあります。
条件としては、保護者と生徒が東京都在住であることで、進学先の学校は東京都近隣の学校でも対象となります。
支給額は国の支援金を上限として、区市町村民税課税標準額 × 6%一区市町村民税調整控除相当額が基準で決まります。
算出額が15万4,500未満の場合、支給額は7万3,000円、
30万4,200円未満の場合、支給額は35万200円です。
年収目安はこちらです。
※保護者1人のみ給与収入がある4人世帯(夫婦と子2人)の場合
国の就学支援金と合わせて、46万9,000円の範囲内で通っている学校の授業料を上限として支給されます。
※世帯人数・扶養人数によっては上記の基準に当てはまらなくても支給対象となる場合があるので確認してみてください!
先述の通り東京都の私立高校の初年度の授業料は平均で46万4,545円なので、国の就学支援金とともに支給対象である場合はご家庭の授業料の負担を大幅に減らすことができます!
東京都のように、国の就学支援金以外にも自治体によって独自の支援を行なっている場合があるので、住んでいる地域の支援を確認しておくのがおすすめです!
まとめ
高校進学にかかるお金がどのくらいかなんとなく掴めたでしょうか。
私立高校への進学を考えている場合、学校によって金額に差がありますが、ご家庭によっては授業料の補助を受けることができます。私立に興味があるけれど、学費が高いのではと思っていた方はご家庭が補助の対象かどうか調べてみてはいかがでしょうか。
先述の東京都のように、国の就学支援金と自治体の補助の対象であれば、特徴のあるカリキュラムや充実した施設、部活動で実績があるなどの魅力を持つ私立高校に、授業料が実質無償で通えるかもしれません!
公立/私立に関わらず、志望する学校へ進学した場合、どれくらいの費用がかかるのか事前に把握しておくと、何かと安心かと思うのである程度志望校が決まったら試算してみるのがおすすめです!