【連載】親子で読みたい!夢を拓く『成長メソッド』②〜文武両道〜

淑徳巣鴨中学高等学校教諭、入試広報部長でサッカー部顧問としてもお馴染みの石原 克哉(いしはらかつや)先生。
このシリーズは、石原先生がこれまでの教育活動の実践の中で得られてきた多くの知見の中で、「本当に子どもが成長していくために必要なこと」「子どもたちが自分の夢を実現するために必要なこと」などをテーマに連載で語っていただきます。
今回は第2回。教育目標などでよく耳にする“文武両道”の本当の価値と、未来に対するその重要性について語っていただきました。

 

第2回 “文武両道”

みなさん、こんにちは!

今日は「文武両道」というテーマについてお話します。

 

「文武両道が魅力だったので淑徳巣鴨に決めました!」といった言葉を、よく耳にします。

文武両道言葉の響きだけでもなんだかカッコいいですよね!でも、この文武両道の本当の価値を知っている人、どれだけいるでしょうか?

 

今日は、これを最後まで読んでいただいたら、みなさんの中で文武両道に対する見方が変わり、人生に新たなエネルギーが湧いてくるはずです!

 

では、質問です。みなさんにとって、文武両道とは何でしょうか?「勉強も頑張る、部活も頑張る」という答えが返ってくるでしょう。

 

でも、それだけじゃないんです。

 

文武両道の本質は、「全力で生きること

そう、これは「人生そのもの」を変える力を持ったものなんです!

 


文武両道とは「全力で生きる力」

まず、こう考えてみてください。勉強だけを頑張るのはもちろん素晴らしいことです。でも、それだけだと人としての幅は広がりにくい。一方、部活だけを頑張るのも楽しいし、達成感もありますよね。でも、それだけでは未来の可能性に限界が出てしまうかもしれません。

 

だからこそ、文武両道

 

これは、勉強という知性を鍛え、例えば運動部であれば(ちなみに私はサッカー部監督です)、スポーツという体力と精神力を同時に鍛える、最強の「成長プログラム」なんです!しかもこれ、学校の中だけの話じゃありません。社会に出たら、まさに「文武両道」が求められる場面が山ほどあります。仕事で頭を使い、チームで体を動かし、そして心で人とつながる。これが現代社会で必要とされる力なんです!

 


質を上げる!

もうひとつ、違う角度からお話しますね!

 

働き方改革が進み、現代では「質」が求められる時代になっています。仕事において、限られた時間の中で質の高い成果を出すことが重要とされています。

 

しかし、「質」を上げるためには、まず「量」をこなすことが必要だと思うんです!(「量」をこなせる人にしか「質」は上げられないと言っても良いかもしれませんね。)勉強であれ部活であれ、最初はうまくいかないことも多いでしょう。しかし、その過程を努力によって乗り越えることが、「質」を向上させるために不可欠な経験となります。

 

例えば、部活動においても、最初はなかなか上達しないことが多いです。しかし、毎日練習を重ねていくうちに、少しずつできることが増えていきます。このプロセスが、最終的に質の高いプレーに繋がるのです。また、学業においても、最初は理解できないことがあっても、繰り返し勉強することで徐々に難易度の高い問題にも対応できるようになり、それが「質の向上」へと繋がるんです!

 


挑戦が未来を変える!

ここで、私が伝えたいのは、「文武両道を実践する中で得られる挑戦の喜び」です。

 

勉強も部活動も、簡単な道ではありません。テスト勉強が思うように捗らず、部活の練習がキツくて、「もうやめたい!」と思う瞬間があるかもしれません。でも、これ、めちゃくちゃ大事なんです!

 

なぜなら、その「乗り越える経験」こそが、未来を変える力を生むからです。壁にぶつかり、それを一つひとつ乗り越えるたびに、あなたの中に「やればできる!」という自信が生まれる。そしてその自信が、将来もっと大きな挑戦をするときの原動力になるんです!

 


文武両道が教えてくれる「人間力」

 さらに、文武両道がもう一つ教えてくれるものは、「人間力」です。

 人間力って何だと思いますか?

 様々あるかと思いますが、その中でも「誰かのために動ける力」「感謝の気持ちと共に成長する力」が大切なのではないでしょうか。部活をしていると、チームメイトのために全力を尽くす瞬間が必ずありますよね。勉強を頑張っていると、先生や親に「応援されている」ことを逆に感じる瞬間もあるでしょう。

 多感な時期だからこそ、こういった経験が必要なんです!利他の心は行動することの原動力になりますし、感謝の気持ちは成長の源になるはずです。

 私が監督をしているサッカー部の活動においても、1年生の時は頼りなかったり不安定な発言があった選手が、2年生になり後輩ができると、責任感を持ってチームのために動けるようになる。「今年の1年生はまだまだだ」なんて、1年前の自分の事を棚に上げて偉そうに言っていることもありますが(笑)

 去年の夏、最後の大会に負け涙した後、3年生が「お母さんと写真を撮ろう!」ってなったんです。「今まで支えてくれてありがとう」という気持ちを形にする。その姿は本当に素晴らしかったです。最後は肩を組んでツーショット写真まで取っていました(笑)(お母さんも嬉しいですよね!)

 この「誰かとつながりながら成長する経験」が、人生にとって一番の宝物になります。社会に出たら、自分一人ではできないことばかりです。仲間と協力し、支え合い、チームで成果を出す力が本当に必要なんです!

 文武両道は、その土台を築く最高のトレーニングなんですよ!

 


あなたの未来をつくるのは「今の挑戦」

そして最後に、私がどうしても伝えたいのはこれ。

 

あなたの未来をつくるのは、今の挑戦だ!」ということ。

 

今この瞬間に、どれだけ全力で生きられるか。それが、あなたの10年後、20年後の人生を決めるのです!

 

文武両道を通して、毎日忙しい中でもやり抜く力、時間管理のスキル、そして「自分に負けない」強さが自然と身についていきます。それを手にしたあなたは、どんな未来でも切り拓いていける。

 

だから、今、目の前の挑戦に全力を注いでください!

 


文武両道のその先へ

文武両道とは、ただの「学校生活のスローガン」ではありません。それは、あなたの人生を輝かせるための最強のメソッドです。この先、どんなに大きな壁があっても、どんなに苦しい瞬間があっても、「文武両道で鍛えた力」があれば、必ず乗り越えられる。その自信を胸に、今この瞬間から全力で取り組んでいきましょう!

 

未来は、自分の手でつくるものです。

文武両道を通じて、あなたが最高の人生をつかむことを、私は心から信じています!

 

 

【第3回】〜当たり前のこと〜に続く)


◎著者紹介

石原 克哉 先生

(淑徳巣鴨中学高等学校教諭 入試広報部長)

・大学卒業後、新卒で淑徳巣鴨の教諭となる。現在23年目。
・行事主任、学年主任を歴任後、入試広報部長として7年目。
・担当教科は数学。

高校サッカー部監督・中学サッカー部総監督。

・教師としての使命は、「子どもたちの未来を豊かなものにすること」。

 

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