【連載】「高校の選び方」【第2回】

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日本大学豊山高等学校中学校で教鞭を振う田中 正勝(たなか まさかつ)先生。
教師として、また子育てを終えた保護者としての経験をもとに「高校の選び方」について、保護者と子ども両方に向け、イチから語っていただくシリーズです。
第2回の今回は、志望校に直接足を運ぶことの大きな意義について語られています。



 【第2回】 いざ、高等学校へ行ってみよう

 

今回は、「いざ、高等学校へ行ってみよう」です。

気になる高等学校へも行ってみないとわからないことばかり。

その学校の空気に触れてみましょう

学校説明会や見学会で見るべきものは、聞くべきことは......

 


学校に触れる機会「学校説明会」「進学相談会」

その前に、どの「高等学校」へ行ったらよいのでしょうか。

 

そのために活用できるのが、集団でおこなわれる「学校説明会」や「進学相談会」です

 

2024年度に行われた「学校説明会」や「進学相談会」の例を挙げると

2024東京都私立学校展

東京都内415校の私立中学校・高等学校が集まる最大級のイベントです。学校説明はポスターセッション方式で行われ、魅力あふれる東京の私立学校の説明を短時間で気軽に聞くことができます。たくさんの学校の説明が聞け、学校を知ることができるイベントです。

2024年度開催日:2024817日(土) 18日(日)10001600 

会場:東京国際フォーラム ホール[東京都千代田区]

 

親と子の「私立・都立中学高校受験相談会」2024

私立と都立、国立、他県県立高等学校が一堂に会して開催されます。

相談会のパイオニアである東京私塾協同組合は、子どもたちに安心できる学校選びと受験準備を提供。毎年、ここで受験校、ひいては母校が決まったという人がとてもたくさんいます。

2024年度開催日:2024106日(日)10:3016:30 

会場:池袋サンシャインシティ展示ホール東京都豊島区

 

進学フェア2024

中学受験、高等学校受験ともに、これまでよりも志望校探しの動き出しが早くなっている中、都内でも最も早い時期に開催される受験相談会です。早い時期のイベントということもあり、参加校にも「入学するためのこれからの過ごし方」など先々のお話をしてくれる学校が多く、また受験指導という目線から、受験についての初歩的な質問や入試へ動き方など、初めに知っておきたい内容について塾長先生がわかりやすくお答えする「なんでも相談コーナー」も人気です。他にも会場にいるスタッフの丁寧なご案内が毎年好評。受験について不安がある方や、志望校がまだ決まっていない方も、安心して来場されています

2024年度開催日:2024429日(月)11:0017:00 

会場:練馬区立区民・産業プラザ ココネリホール[東京都練馬区

 

ほかにもたくさんの「学校説明会」や「進学相談会」が開かれています。

イベントにより参加する学校が違いますが、複数参加することで、多くの学校に触れ合うことができます。参加者に学年の制限はありません。

 

早い時期から動き出すことで、たくさんの学校を知ることができ、選択の範囲も広がることでしょう

 


学校に何を聞いたら良いか

では、そこで何を聞いたらいいでしょうか。

 

なんでも構いません

 

「私は中学3年生です。こんな私にアドバイスをください!」なんて言った生徒さんもいました。もちろん、その時点で必要なお話はさせていただきましたが、「1学期のはじめと終盤」「夏休み期間中」「2学期」では、お話できる内容も範囲も変わってくるかと思います。気になる学校は「何度かお話を聞いてもらってもいいかもしれませんね」また、複数の先生に出会うことで、その人柄から学校での様子をうかがい知ることもできるかもしれません。学校はひとつの社会です。いろいろな面からお話を聞いてみてください

 

 

そして、重要なのは学校で開催されるイベント情報です。

先にも触れましたが、「学校」は「行ってみないとわからないことだらけです」。その学校で行われるイベント情報、例えば、公開授業や施設見学会、運動会や文化祭、入試説明会や個別相談など、いつどのようなスタイルで開催されるのかを聞いてみてください。たくさんのイベントの中から自分が興味をもてそうなものを選択して行くのもいいですね。

 

やってはいけないことは「名前を知っている学校」「近所の学校」「自分の成績から導き出した学校」「偏差値」で学校を選択することです。

 

 

そして「普通の学校」を探すことです。

 


「普通の学校」?

1回でも「学校の種類」についてお話ししましたが、いろいろな学校が「普通の学校」です。例えば「男子校」も「女子校」も「共学校」も「普通の学校」です。

世の中にある「バイアス」を取り除いていくことが、今まで知らなかった学校との出会いにつながり、自分にとって「最高の学校」との出会いになることもあります。

ぜひ、いろいろな視点から学校を選んでみてください。


学校に行ってみよう!

さて、ここまできたら「学校に行ってみよう!」

気になる学校の、気になるイベントで、気になることを見てみよう、聞いてみよう。

 

そして、空気を感じてみよう

 

ファーストインスピレーションって案外当たるかもしれませんね。

 

私の学校は男子校なんですが、みなさん男子校から想像することってどんなものでしょう。例えば「くさい?」そんなことはありません。

私はよく「男子校はくさくない!」と言っています。

 

では、何を感じてほしいかと言いますと、それはそこにいる「生徒」や「先生」とのやり取りの様子、「売店」の方と「生徒」との会話。校舎や施設をつかっている「生徒」の様子。

 

いろいろなことが想像できますね。

 

 

 

「施設」をいろいろと巡ることと思います。学校見学会や施設見学会で、学校の施設を見るときにぜひ行ってほしいのは「トイレ」です

 

トイレは必ず使うところです。そして汚く感じるところです。でも、そんなところをどんな風に使っているのかは、その学校の「生徒」の様子を垣間見る最高の場所であるとも思います。

ちなみに私の男子校はきれいです。そして各フロアにパウダースペースつき女子トイレが備えつけられています。お母さま方必見です。

 

 

 

また、学校でしか聞けないこともあります。それは生徒との会話です

文化祭や学校公開の際にぜひそこにいる「生徒」にいろいろと聞いてみてください。先生方の説明の中でも、正直言って伝えきれていないところがたくさんあります。

ちょっとした疑問でも、同世代の生徒たちは率直な意見をくれるかと思います。ぜひ会話を楽しんでください。

 

立派な施設を眺めるのもよいですが、ちょっと視点をかえてみることも大切ですね。

 

 

ひとつ提案ですが、「学校案内」や「ホームページ」で事前に調べたことや集団の「学校説明会」や「進学相談会」で聞いたことの中から、質問を用意して行くのもよいですね。「もやもや」がないようにクリアにしてください。質問をなげかけることは恥ずかしいことではありません。また、質問をきっかけにして会話に弾みがつきます。先生方もそれを待っています。ぜひ実践してみてください。

 


 

みなさん、魅力に感じる学校は見つかりそうですか?

 

でも、改めて「学校」を調べてみると、それぞれに特徴があるのがわかってきます。

 

つぎは、「私立学校」と「公立学校」、「共学校」と「別学校(男子校・女子校)」の特徴についてみていきましょう。

 

みなさんが思っている以上に違いがあるかもしれません。

 

(第3回に続く)


◎著者紹介

田中 正勝 先生

(日本大学豊山高等学校中学校教諭 広報主任)

・民間企業から教員に転身。進学校や実業高校を経て、20年前に母校教諭となる。

・指導部主任や学年主任を歴任後、広報の責任者として11年。

・現在は書道部・スキー部顧問。

日大豊山の学校パンフレットの題字「日大豊山」は田中先生による筆

 

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